登山の準備で地味に面倒なのが、持ち物リストの管理だ。必要なものを考えることだけではなく、前回のリストをコピーして、チェックを消して、今回いらないものを外して、足りないものを追加する。その作業を毎回繰り返すのが手間だった。
もともとはGoogleスプレッドシートで持ち物を管理していた。でも、やりたいことはもっと単純だ。同じリストを使い続けて、次の登山の前にチェックだけをリセットしたい。さらに、夏山・3シーズン・雪山で持ち物を切り替えられれば便利だと思った。
そこで、ChatGPTとのやり取りを通じて、登山持ち物チェックリスト「山支度」を作った。この記事では、その初版でできることと、どう使い回す仕組みにしたかを紹介する。まだ山行で使い込んだレビューではなく、自分の準備の手間を減らすために作ったものの紹介だ。
欲しかったのは、毎回作り直さなくていいチェックリスト
今回伝えた困りごとは、「毎回コピーしたり、チェックリストを作ったり、消したりするのが大変」ということだった。表として持ち物を一覧にするだけなら、すでにスプレッドシートでできている。改善したかったのは、そのリストを次の登山に使い回すまでの手順だ。
最初に求めたのは、リセットボタンを押すとチェックボックスが空になること。それに加えて、夏山、3シーズン、雪山といった持ち物の切り替えもできるようにお願いした。持ち物の過不足は、一旦整理してもらってから使いながら調整することにした。
元のスプレッドシートはそのまま残し、別のサイトとして作成した。これなら、元リストを参照しながら新しい使い方を試せる。

夏山・3シーズン・雪山を切り替える
画面の上部には、夏山・3シーズン・雪山の3つの切り替えがある。夏山は暑さや日差しへの備え、3シーズンは春・夏・秋の無雪期、雪山は防寒と積雪への備えを想定した区分だ。
持ち物は「出発前」「ウェア」「ギア」「小物」「食料・調理」「電子機器」「救急・緊急」などのカテゴリーに整理した。初版では夏山と3シーズンの基本装備には共通する項目が多く、雪山ではニット帽、厚手の保温レイヤー、アイゼン、ピッケル、雪崩対策装備などが加わる。
季節の名前だけで装備が決まるわけではないので、各区分は出発点として使う。標高や天候、ルートに合わせて、必要なものを自分で調整できるようにした。
泊まり方と、山で何をするかで表示を変える
元リストには車中泊、小屋泊、テント泊の持ち物も入っていた。日帰りなのに寝袋やテントまで毎回チェックするのは手間なので、宿泊の設定を分けた。
- 日帰り:基本の登山装備を表示
- 小屋泊:インナーシーツ、耳栓、歯ブラシなどを追加表示
- テント泊:テント、ポール、ペグ、寝袋、マットなどを追加表示
- 車中泊:毛布・寝袋、枕などを追加表示
さらに「山で調理する」「下山後に温泉」という選択肢も付けた。調理を選べばクッカー、バーナー、ガス缶、カトラリーなど、温泉を選べば風呂用の手ぬぐいや下山後の着替えなどが表示される。
その日の予定に関係する項目を中心に見られるので、同じリストを使っても、毎回すべてを手作業で削る必要がない。
リセットで消えるのは、チェックだけ
今回いちばん欲しかった機能が、「チェックをリセット」だ。選択中の季節のチェックを空にして、次の山行の準備を始められる。
たとえば夏山のリストをリセットしても、雪山のチェックはそのまま残る。ただし、夏山の中では、現在表示していない宿泊・調理装備のチェックもまとめて外す。前回の泊まり装備を、次回も確認済みだと思ってしまうのを避けるためだ。
一方、追加した持ち物や削除した項目は、リセットしても残る。毎回使うカメラを追加したら、次回もその項目を使える。「自分向けに整えたリスト」と「今回の準備のチェック」を分けて扱う仕組みだ。
チェックした数と残りの項目数、進捗の割合も表示される。準備の途中で、どのくらい確認が残っているかを見られるようにした。
チェック状態はCookieではなく、アカウントごとに保存
作ったあとに気になったのが、「完了状態は個人のCookieに保存されるのか」ということだった。
今回の実装では、チェック状態はブラウザのCookieだけに保存する方式ではなく、サイト側の保存領域に、ログインしたアカウントごとに保存する。Cookieはログイン状態の維持に使い、持ち物のチェックや編集内容はサーバー側で管理する。
そのため、同じChatGPTアカウントでアクセスすれば、スマホとPCでも保存したデータを読み込める設計になっている。別アカウントのデータとは分かれる。複数の画面で同時に変更したときは、古い状態で上書きしないように、最新データの読み込みを案内する仕組みも入れた。
なお、初版の動作確認はプレビュー環境で行った。チェックの保存と再読み込み、季節の切り替え、リセット、項目の追加・削除を確認している。実際の山行や、異なる端末間で使い込んだ結果はこれからだ。
雪山のリストは、安全の判定には使わない
装備を整理するときは、日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)の冬山装備チェックリスト・冬山登山の警告文も参照した。この資料は、必要装備が山の難易度や登山方法で変わること、装備の使い方の習得や積雪・雪崩情報の確認も必要であることを示している。
山支度のチェックがすべて埋まっても、それだけで登山の安全が保証されるわけではない。これは荷物の確認を助ける道具であり、入山の判断を任せるものではない。天気や登山道の状況、登山計画などは、JMSCAの入山前の確認も参考に、別途確認する。
まずは「次の登山でも同じリストを開く」を目指す
今回作ったのは、大勢向けの登山サービスというより、自分の準備を少し楽にするための道具だ。持ち物リストを毎回コピーして作り直す代わりに、同じページを開いて、その日の条件を選び、チェックしていく。次の登山ではチェックだけをリセットする。
山支度のサイトは、現時点では本人限定で利用する設定にしている。この記事は制作の記録であり、リンクを開けば誰でも使える公開サービスの案内ではない。
使ってみて項目が多すぎれば減らすし、テント泊や雪山で足りないものがあれば追加する。最初から完璧な装備表を目指すより、次の登山でも無理なく使える形に育てていきたい。
参考情報・出典
- JMSCA 冬山装備チェックリスト・冬山登山の警告文(確認日:2026-10-09)
- JMSCA 入山前の確認(確認日:2026-10-09)

















