人事評価には2つの方法がある。
「相対評価」とは、同じグループ内のほかのメンバーと比較して順位をつけ、正規分布させる方法。組織の平均実績を割り出し、それを基準に組織業績への貢献度をベースに評価する方法もある。
「絶対評価」とは、評価基準に照らし合わせて1人ひとりを評価する方法。ほかの社員と比較してつける評価ではない。個々の能力や実績と評価基準を、つき合わせて判断するので、等級ごとに異なる評価基準を設ける必要がある。
どちらにもメリットとデメリットがあるが、人事コンサルタントの西尾太氏は以下のように言う。
人事評価においては「絶対評価」を基本にすべきだ。
目次
明確な評価基準のない会社
明確な評価基準のない会社では、「坂口のほうが山田より頑張っているから、坂口は評価A、安田は評価B」という具合に、「相対評価」に流れやすい。
「あいつは頑張っている」「あいつはよくやっている」という見方は主観的な印象である。個人的な好き嫌いが含まれる可能性も高く、公正さのかけた序列をつくることになる。
目標を達成しているのに、そのように不当に評価された社員は、当然モチベーションが低下する。これでは人材育成はできない。そして、評価基準への信頼が一気に失われてしまう。
人事評価に対する不信感は、すなわち会社への不信感につながり、仕事への意欲も、成長したいと願う向上心も失わせてしまう。
何より大事なことは、会社が社員に求めていることを明確に示すことである。そうでなければ、的確かつ客観的な評価はできない。
あなたの会社はどうか?
私の在籍する会社でも、不明確な人事評価で公正さのかけた序列が出来上がりつつある。
大切なのは、それに気づいたあなたが上司と話し合いの機会を設けることだ。願わくば会社の人事制度が見直されることである。
実際、私も上司に掛け合った。これによって人事評価制度が見直されることはなかった。だが、上司も同じような考えだということが知れたのが非常に良い機会となった。それ以来、その上司とは比較的上手くいっている。
(参考書籍)