先日、自衛隊という組織の大まかな概要を執筆した。
今日は自衛隊に入隊したい人もしくは興味がある人に聞いてもらいたいことを話す。
目次
自衛隊の合格通知
自衛隊への採用試験に合格すると、さっそく入隊日の案内が届く。
その内容は○○の地方協力本部に○月○日の○時に集まってくださいというものだ。そこにいけば教育隊のある駐屯地まで丁寧に送ってくれる。地方協力本部から駐屯地に向かう出発のときは皆さんが国旗を振りながら見送ってくれる。
駐屯地へ到着
駐屯地到着後から入隊式までは”お客様”として丁寧にもてなしてくれる。その日から10人部屋の共同生活が始まる。
・テレビなし
・インターネット回線なし
・スマホは使える
・PCはもちろん持込不可
正直、僕は入隊初日にすでに退職までの道筋をつくっていた。もしそれまでにその気持ちが覆れば自衛隊に居続けるつもりだった。だが決して覆ることはなかった。
とても良い友人や先輩・上官に出会って、本当に良い職場だった。僕がパソコン&インターネットを好きでなければ絶対に続けただろう。だが、この自衛隊生活の反動でPCやネットがより好きになってしまい、今ではこのようになってしまった。
WindowsデスクトップPC
Windowsノートパソコン ×2
MacBookAir
Chromebook
加えて、
Nexus7
KindleFireHD
KindlePaperWhite
iPadAir2
PS4 ×2
PSVITA
3DSLL
WiiU
ゲーミングモニター ×2
などがある。今では好きなもの囲まれて本当に幸せだ。
話が脱線してしまった。
入隊から部隊配属までの流れ
これは一例で、自衛官候補生や一般陸曹候補生の一般的な流れだ。
入隊式
↓
前期教育(3ヶ月)
↓
後期教育(3ヶ月)
↓
部隊配属(1年〜)
↓
陸曹候補生試験
↓
前期教育(3ヶ月)
↓
後期教育(3ヶ月)
↓
昇格
というように要所で教育を受けていくことになる。
その間に訓練などもあるが、ずっと辛いわけではない。教育・訓練・それ以外の期間の繰り返しで緩急をつけた生活になる。
給与や賞与は安定しているし、休暇も十分の取れるので非常に良い環境でもある。ただし、配属されて1−2年のうちは営内待機といって休みにも関わらず駐屯地の寮に残らなければならない残念な日が多いので、それに従わなければならない。
営外(寮の外)で生活すれば非常に充実した生活が送れるだろう。ただ、僕がいた部隊では営外の条件は結婚もしくは幹部になる以外選択肢がなかった。非常に長い道のりだ。単純にやめたほうが早いと判断して最短で退職した。
入隊〜前期教育
前期教育では自衛官としての基礎を学ぶ。
入隊式直後はさっそく官品(戦闘服や靴など)が支給され、それに名札を縫い付けるところから始まる。その後は戦闘服のアイロンがけから戦闘靴の靴磨き、整理整頓などをほぼ完璧に全員こなしていく。完璧にこなさないと腕立て伏せという罰が待っているのでやらざるを得ない。
あとやることといえば、
・基本教練(気をつけとか回れ右とか)
・射撃検定
・銃の分解・結合
・戦闘訓練
・体力検定
といったところだろうか。
全員が必ずこなせるまできっちりと教えてくれるので、安心して入隊してください。
前期教育の最後には職種が決まる。これは適性試験や希望職種・勤務地など様々な要素から決定されるが、どうやって決めているかは僕は知らない。
職種に関しては防衛省のホームページで確認してほしい。
前期教育終了〜後期教育まで
前期教育終了時にそれぞれの職種が決まり、勤務地も決まる。その勤務地もしくはその近在で3ヶ月間後期教育を受けることになる。
前期教育と比べると専門的な分野を勉強することになる。
後期教育でやることは、
・職種専門分野の習得
・射撃検定
・体力検定
といったところだ。
やはり自衛官として、体力検定と射撃検定は基礎なので繰り返しやることになる。
後期教育は前期教育よりもカジュアルで楽しかった。
前期教育とは違うメンバーで3ヶ月過ごすことになるし、そこには同じ部隊に配属される同期もいる。また教官や助教もより親近感のある立場でいてくれるだろう。もしかしたら一生の友達ができるかもしれない。
これが終わるといよいよ部隊配属になる。
この6ヶ月の教育期間は人生でベスト3に入るぐらい密度の濃い印象的なものだった。
自衛隊を経験して良かった
入隊したときはものすごく後悔したものだが、今となっては本当に良かったと思っている。
僕はこの先何がっても生きていけるという確信が持てた。
もし、入隊を考えている人がいたら是非体験してみてほしい。嫌ならさっさとやめればいい。それはどこの企業に務めても一緒だ。
今時、生涯同じ会社にいることのほうが少数派だ。一生安泰と言われていた大手家電メーカーが赤字だったり、海外の企業に買収されたりしている。もはや一生安泰などありえない。リスクを取らないほうがリスクになるような時代だ。
さらに、今後AIやロボットの開発が進めば、多くの仕事をロボットがすることになるだろう。そんな時代だからこそ僕は人とは違う体験をおすすめしたい。