革靴(革製品)のメンテナンス方法はよく聞かれるし、レザーグッズを持っている人なら一度は調べたことがあるだろう。
結論から言うと、レザーの手入れ方法に正解はない。
しかし、限りなく正解に近い方法はある。
材料である革の鞣し方法を調べて、それを再現することである。たとえば、蜜蝋を多く使った鞣しで革が生成されているのならば、蜜蝋が多く含まれたオイルやクリームを使用して手入れすることが望ましい。
つまり、わざわざ鞣し方法を調べて、その革に合った手入れをすることなど実質不可能なのだ。
レザーを取り扱う僕の会社でも正攻法がなく、それを研究している人はいない。密かに僕が研究しているぐらいだ。
実はこのサイトが詳しいが、内容が非常に難解なので、マニアックな人向けである。
今まで(ほとんど)誰も書かなかった革(靴)の細かなこと
目次
メンテナンス用品の成分を知る
革用のクリームやオイルに含まれている成分を知ることはとても大切なことだ。
革の手入れ方法に正解はないが、”自分がどのように革を育てていきたいか”でメンテナンス方法は大きく変わる。
僕のメンテナンスの心得はこんな感じ。
・革の質を出来る限り維持する
・化学薬品は使わない
・天然成分を大切にする
メンテナンス用品に出てくる重要成分
ラノリン
ウールに覆われた動物の皮脂腺から分泌される蝋である。
ミツロウ
ミツロウ(蜜蝋、Beeswax、Cera alba)はミツバチ(働きバチ)の巣を構成する蝋を精製したものをいう。
ホホバ油
ホホバオイルはその分子構造や、豊富な栄養素を含有する特徴から、すべての肌質に合う「美容液」「保湿液」として最も理想的と言われている。
馬油
馬油(バーユ、マーユ)は、馬の皮下脂肪を原料とする動物性油脂のことである。 主に食用の馬を解体する際に腹や首の部位から採取される。
ミンクオイル
動物のミンクから取れる動物性のオイル。ただし、市販されているミンクオイルの中には有機溶剤などが添加されたものが多い。
有機溶剤
革の分子構造(たんぱく質)を分解して革を柔らかくしたり、ツヤを出すための化学薬品。また、洗浄成分である界面活性剤のような効果もある。
注意したいのは有機溶剤
僕は基本的に有機溶剤が含まれているレザーメンテナンス用品は使わない。
ネット上で最も多く紹介されている革の手入れ方法が以下。
ブラシで清掃
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ステインリムーバーで古い油や汚れを落とす
↓
キレイに拭く
↓
デリケートクリームで養分を補給
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ミンクオイルや革クリームを塗る
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(ポリッシュで仕上げ)
こんな手順、超めんどくさいし、革にも良いとはいえない。まず強力に汚れを落とすステインリムーバーに有機溶剤が含まれているのだ。洗剤で革を洗うのと同じことだ。あと、デリケートクリームは水分が多すぎてあまり意味がない。
おすすめのメンテナンス方法
僕はいろんな革バッグや革靴で様々なメンテナンス方法を研究してきた。
その結果、増えた道具たちがこれ。
僕がおすすめする手入れ方法は手順もとても簡単だ。
ブラシで清掃
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おすすめのワックスを塗る
オススメの革用ワックスは、ラナパーかワンダーバルサム。
これらは天然成分のみで生成されているだけでなく、仕上げにも使うロウやワセリンがバランスよく配合されていて、オールインワンで済む。
今回は、購入したばかりのワンダーバルサムでレッドウイングのワークオックスフォード8002を手入れしていく。
1.手入れ前の状態
2.靴紐をはずしてブラシで清掃
3.ワンダーバルサムを付属のスポンジで薄く塗る
4.手入れ後のワークオックスフォード
ポリッシュ(靴墨)などでピカピカにすると逆にピカピカにした部分の傷が目立つし、キメすぎてしまうので、これぐらいの艶感がちょうどよいと思う。
オシャレは足元から!ということで、気軽にできるレザーシューズの手入れ方法でした。