レビュー

『人事の超プロが明かす 評価基準』読んでみたのでレビュー

人事評価基準が納得できない

人事の超プロが明かす評価基準 (単行本)
西尾 太
三笠書房
売り上げランキング: 2,305

自分の評価が納得できない

この本を手に取ったきっかけは、自分が務めている会社での人事査定に納得できなかったからだ。
たぶん、自分の人事評価に納得できている人のほうが少ないのではないだろうか。

僕が務めている会社にはボーナスの評価のときにA-D評価までがある。よくわからない計算式が発表されているが、毎回基準が違うので賞与額の計算方法は実質不明だ。

人事評価の面談のときに自分の評価を言われたので、単純に質問してみた。

「なぜ私はその評価だったのでしょうか?改善点があれば教えてください」

普通の質問だ。回答はこうだった。

「んー。。。たぶん、ゴニョゴニョ・・・?」

と意味不明な供述をしていたのだ。

納得できるわけがないだろう。適当に仕事をしていたのなら、評価なんてどうでもいい。しかし、ある程度本気で会社に貢献するつもりで仕事をしていた僕にしてみれば、煮えたぎる思いしかなかった。

本来、理想的な会社の在り方は明確な人事評価基準を公表し、どの役職や年次にどのレベルのことが求められているかを社員に伝えることだと僕は思っている。

自分が何を求められているかもわからないまま、意味不明な評価をされることに耐えられなかった。そして、このような自分の考え方は正しいのか間違っているのか。

それを確かめたくてこの本を手にした。



要点1:どんな会社でも通用する普遍的な評価基準がある

働く側にしてみれば、自分に何を求められているのか、何をすれば評価されるのか、その基準をはっきりさせれば、目標や方向性がつかめる。

しかし、大変残念なことに、日本の多くの会社では、上司の個人的な「好き嫌い」を含んだ主観的な人事評価が行われていることがほとんどで、評価基準が不明確。改善点を指摘するフィードバックがきちんとなされている会社もぼくわずか。

社員が納得できるような評価制度が整った企業は、日本の会社全体のたった1割程度だと著者は言う。

評価される側にできること

「評価される側」にできる自衛策は、普遍的な評価基準=「コンピテンシー」を学び、理解し実行し、その時々の「評価基準」に達する行動をしていくしかない。

本書では各役職や年次に求められる45のコンピテンシーが書かれている。その内容が本書の一番の見どころである。

人事評価に対する不信感は、すなわち会社への不信感につながり、仕事への意欲も、成長したいと願う向上心も失わせてしまう。

評価基準の曖昧さが表れている例

「あいつは頑張っている」「あいつはよくやっている」と評価者が口にする

まさに、僕が務めている会社では評価者がよくこの言葉を口に出している。

明らかに、えこひいきとしか思えない人事によって社員全体のモチベーションが下がり、会社の業績も急降下してしまう例がいくつもあると著者は言っている。

こうした事態を防ぐには、やはり評価基準を明確にすることが重要だ。

要点2:人事制度とは「人材育成」である

評価制度は人を褒める仕組みであるべきだ。

良かった点は褒め、足りない点は改善を促す。それが公正な人事評価である。そういうメリハリがなければ、「何をやっても同じ」ということになり、社員のやる気が失われていく。

要点3:すべてを決めているのは「影響力」

「評価される人と評価されない人」「出世する人と出世しない人」「給与が上がる人と上がらない人」その決定的な違いは以下である。

「評価される人」=「影響力のある人」

わかりやすい影響力は「社会や会社に与えた価値の量=売上」である。
また、売上を上げる事のできない部署の人たちは経費削減や業務効率化などを数値化して「見える化」することでその影響力をあげることができる。

さらに、本書に書かれた各役職に求められるコンピテンシーをクリアしていくことでも影響力はあがっていく。

ビジネスで求められる成果を出すために「欠かせない行動」のことを、人事分野では「コンピテンシー」と言う。

総評:全ての社会人のおすすめできる神本

本書を読めば、人事評価の度にイライラする生活に終止符を打つきっかけになるだろう。イライラした心にすっと溶け込んでくる言葉や内容が含まれているのは素晴らしい。

本書は「評価される側」だけでなく、「評価する側」こそ読むべき内容になっている。

2017年上司に読ませたい本No1と言っても過言ではなかった。

人事の超プロが明かす評価基準 (単行本)
西尾 太
三笠書房
売り上げランキング: 2,305

(参考書籍)

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