学研プラス (2017-11-22)
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片づけの心理法則を読むきっかけ
前回の書評に引き続き、メンタリストDaiGoさんが著者だ。
メンタリストDaiGoさんは慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。
人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究しており、人の心を作るために心理学の勉強を始めたとのこと。
趣味は1日に10−20冊の読書である。その膨大な読書量によるインプットから、圧倒的なロジカルな心理学で読者を魅了する。実際、僕もメンタリストDaiGoさんの書籍にハマっており、最近よく読んでいる。
僕がこの著者を好む理由は、ほとんど全てが科学的根拠に基づいた理論を展開しているからだ。
今回、部屋を片づけられたらいいなという安易な気持ちでこの本を手にしたのだが、効果はそれ以上の破壊力のあるものだった。その破壊力とは何なのかを紹介していく。
要点1:片づけの目的は人生を最大化すること
片づけと言えば、部屋をキレイにして整理整頓をするということだとイメージするだろう。
しかし、著者の言う片づけとは、自分のリソースを目標に向かって集中できる環境をつくることである。
つまり、片づけは、大切なことに使える時間やお金、体力や注意力を最大化する。言い換えれば、自分の人生を思い通りに操れるということである。
本書では、片づけの具体的な方法とルールを提示するだけでなく、それをライフスタイルやビジネスに応用していく。
要点2:片づけのルールを時間管理に適用する
本書の後半では、前半で学んだ片づけのルールを時間管理などの他ことに適用していく。たとえば、以下のようなテクニックを提示している。
テクニック1:「午前のアポ」「午後の集中」を捨てる
テクニック2:時間の「使いみち」を先に決める
テクニック3:疲れの元凶「やり残し仕事」をなくす
テクニック4:マルチタスクの「ながら状態」を脱出する
テクニック5:スケジュール帳を「真っ白」に近づける
テクニック6:スケジュール帳に「評価」を記録する
テクニック7:「時間」より「行動」の管理にフォーカスする
この中でも僕が最も面白いと思ったのは、テクニック6のスケジュール帳に評価を記録していくことだ。たとえば、ミーティングや飲み会が終わった後に☆、○、△の評価をつけていく。
ミーティングの評価
☆・・・期待以上の成果があった
○・・・一応の成果があった
△・・・成果なし。やる必要がなかった
飲み会の評価
☆・・・参加してよかった。次の機会にもぜひ参加したい
○・・・参加してよかったが、もう少し早く切り上げるべきだった
△・・・参加する必要がなかった
これらの評価を繰り返していくと、相手との適当な距離の取り方がわかってくる。また、あとで見直して同じ失敗を繰り返さなくなる。
非常に有効なテクニックだ。
価格以上の良書
本書を読めば、片づけのテクニックだけでなく、自分にとって本当に大事なモノや時間を見つめ直すことができるだろう。きっと人生を豊かにしてくれる一つのきっかけになる。
世の中には、片づけ本は多く存在する。
たとえば、近藤麻理恵著の「人生がときめく片づけの魔法」などは大ベストセラーだ。この本では、モノを手にとって”ときめくかときめかないか”で残すモノと捨てるモノを選別するようなテクニックが示されている。しかし、このテクニックはあくまで主観的でスピリチュアルなものだ。
本書はこれらのスピリチュアルな考えに基づいた断捨離本とは一線を画する、科学的な本と言えるだろう。ぜひ一読してみてほしい。
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(参考書籍)